私の好きな写真家でエド・ヴァン・デル・エルスケン(1925〜1990)という人がいます。
 
 1950年から1954年までパリに住み、セーヌ川左岸サンジェルマン・デ・プレの若者の生き様を撮り続けました。錆びの浮いた鏡にアンという女性が顔を写している写真が有名なのですが、これらの作品は「Love on The Left Bank(セーヌ左岸の恋)」という写真集になっています。私はその写真集を一目見てエルスケンの写真の世界にすっかりはまってしまいました。
 エルスケンがオランダからパリに出てきたときに「ROLLEI CORD(ローライコード)」を構えウィンドウに映った自分の姿を撮ったセルフポートレイトがあり、この写真を撮ったカメラはどんなものなのかなぁ?と次第にその二眼レフが気になり始めました。
 これがきっかけでブローニーフィルムを使う6×6とか6×7などの中判カメラに興味が向きまして、国産のものや外国製のカメラをいろいろ見て散々迷って初めて買ったのがドイツ製の6×6版の二眼レフ「ROLLEIFLEX (ローライフレックス)3.5F」
 
 これはエルスケンが使っていたカメラと同じローライ製ということ、完成されたシンメトリーなデザインに惚れて購入。試し撮りもせず買ってしまったのですが、撮ってみてその写り具合には脱帽!   30年も前のカメラとは思えないほどの解像度、コントラスト。  ファインダーも明るくきれいでのぞいているだけでも楽しくなります。ゴッセン社のセレンの連動露出計も反応が良く正確。とにかくよく写るし首からぶら下げていても格好良いし、これは私の本当のお気に入りカメラとなりました。

 7年くらい前に仕事でオランダのアムステルダムに行きました。運河が美しいアムステルダムの街を歩いていて、ああ、エルスケンの国に来たんだ・・と思うともう嬉しくて、このローライでたくさん写真撮ってきました。アムステルダムの市街地、アンネフランクの家、風車の村ザーンセスカンス、港町マルケンなどの美しい風景はいまだに鮮明に思い出せます。この時の写真は何年か前の「とろう会写真展」に出しましたが、大きく伸ばしてもとても綺麗でした。

 「ROLLEIFLEX 3.5F」にはカール・ツァイスのプラナー付きとシュナイダーのクセノタール付き、2つのレンズのタイプがあるということを買ってしばらくしてから知りました。
 カール・ツァイスのプラナーは何と言ってもカール・ツァイスの泣く子も黙る名レンズで、今でもとても人気があり中古カメラ店での値段も高いです。
 シュナイダーは「スーパーアンギュロン」という広角の大名跡レンズを作ったメーカーで、実力は決してツァイスに比べて遜色はないのですが人気は今一つなので値段も少し安くなります。しかしこのプラナーとクセノタール、写真を見比べてどっちがどっちのレンズか?と聞かれるとプロでもなかなか見分けがつかないとのこと。そんなことが雑誌に載るようになって最近ではクセノタールが見直されて人気が出てきているようです。
 私のはシュナイダーのクセノタール75mmF3.5付きで、シリアル番号2277728。調べてみると1962年か1963年製造のもので丁度私と同じくらいの年というのも何だか面白いですね。

それにしても良い形です

Rolleiflex3.5Fで撮った
オランダの写真です