7月8日
 
6月29日から松竹座で稽古が始まり3日に初日が明きましたが、まあ実にハードで強烈な3か月目の旅の始まりでありました。
今月の演目は出囃子が「芝翫奴」「連獅子」、黒御簾が「葛の葉」「荒川の佐吉」「小さん金五郎」「浮かれ心中」と昼夜ともすべての芝居に用事があります。稽古中は自分の役割以外のものも弾いていましたので8時間くらい稽古場に座りっぱなし。カゲの方はどれも忙しく、場数が多く仕掛けがあったり宙乗りがあったりで舞台稽古になると一つの演目で3時間から4時間かかりますので、結構遅くまでかかりました。
 「小さん金五郎」の黒御簾はずいぶん久しぶりで、昭和62年の新歌舞伎座以来。この時は延若(金五郎)、門之助(小さん)徳三郎(おつる)という配役で、上方の味わいが濃くとても面白かった記憶があります。とにかく出入りの多い芝居で初めの30分は弾きっぱなしの唄いっぱなし、きっかけが怒濤のようにやって来てのんびりしていられない忙しい黒御簾です。
 勘九郎さんの「荒川の佐吉」は一昨年の歌舞伎座以来で、今回も相政の親分を島田正吾さんが勤められますが、御年95歳!存在感、雰囲気、科白の重み、すべてに圧倒されてしまいます。
 稽古の時に勘九郎さんと橋之助さんに立廻りを指導しているその姿が実に良い形!格好良かったですね。今年の5月の末に演舞場で一人芝居で「荒川の佐吉」を演じられたとのこと、見てみたかったなぁ。今回黒御簾の舞台師は私がやらせていただいていますが、この芝居の黒御簾は雰囲気描写的なもので勘九郎さんや島田さんの大事な科白がきっかけになっているところがありますので、弾きだす時にはとても緊張しますが毎日いろいろ考えるところがあって面白いです。
 「浮かれ心中」は3,4年前に歌舞伎座でやりました。これはまあ楽しい芝居なので黒御簾も賑やかで、特に幕切れの宙乗りではディズニーの「イッツ・ア・スモールワールド」を弾いていますので、よーく聞いてみて下さい。

 先月、博多座の下の紀伊国屋書店で蜷川幸雄の芝居のビデオが発売されているのを発見しました。「王女メディア」「NINAGAWAマクベス」「近松心中物語」「忠臣蔵」の4本で「ひゃー今すぐ買って見たい!」というものばかりだったのですが、博多にはビデオデッキを持っていっていなかったし、たぶん松竹座の紀伊国屋書店でも売っているだろうから大阪に行ってから買って見よう、と思って初日が明いてすぐ行ったのですが、なぜかここの紀伊国屋書店には全然置いていないのです。仕様がないのでCD屋などを歩き回り、昨日やっと見つけて「王女メディア」を買ってきました。嵐徳三郎さんのは舞台を見たことがありますが、平幹二朗さんのはこれが初めて。昨晩はプールの帰りにビールを飲んだらこれが効いてしまってすぐ寝てしまったので、今朝起き抜けから見ていたのですが、いやいや実に感激、良かったです。しかし朝一番に見るには少々重い芝居でした。蜷川さんの芝居はやっぱり夜一人で静かに見るに限りますね。

7月15日
 
今日、松竹座は中日になりました。
3か月連続旅も残すところあと2週間、今月は仕事がハードですから、今日から楽までがまた長く感じられることでしょう。
 今月私はお昼過ぎに楽屋に入り、それから夜の終演までぶっ続けなので楽屋からは一歩も外に出られません。始まったころはこれが結構身体にこたえたのですが、このペースに慣れてくると、空き時間があってホテルを行ってこいしているよりは楽屋に居っきりのほうが涼しくて汗もかかず快適なんです。毎年7月の大阪というと暑くて大汗をかきますから、ボタンダウンのシャツやらコッパンをクリーニングに出す回数がばかならないのですが、今月はシャツがいつもさらさらしていていい感じ。
 また出歩く時間がないというのはお金を使わなくていいです。5月は楽屋入りが夕方でしたので、昼間あちこち歩き回って枕やらいろんなものを買ってしまいました。今月我ながら感心だなぁと思うのは、5月には毎日のように通っていた日本橋の電気街(私の煩悩地帯)に一歩も足を踏み入れていないことです。

 とにかく今月は我慢我慢といった感じでじりじりと時間が過ぎていきますので、終演後は1日おきにスポーツジムに行ってマシンをやったりプールに入ったり暴れて発散しております。プールにはジャグジーがあって、ここでしばらく寝っころがっていると極楽極楽!ホテルの狭いお風呂でシャワーを浴びているのとは天と地で、本当にストレス解消になります。

 蜷川幸雄さんの芝居のビデオですが、こんどは「仮名手本忠臣蔵」を買ってきました。近藤正臣主演で、大星力弥役に片岡孝太郎さんが出演しています。大序から討ち入りまでやっていますのでビデオ2本組で3時間20分、今ちょうど七段目を見ているのですが何とも不思議な面白さの舞台です。無数の無縁仏の並ぶ墓地を舞台に、そこに跳梁する提灯を持った老婆の群れ、そこで忠臣蔵の物語が進んでいきます。これは本物の舞台を見てみたいですね。

7月20日
 
あーあ、やっと20日を越えました。このところ連日完全にエネルギー切れ状態で背中は痛いし首の芯は重たくだるいし、整体か何かに行って身体中ボキボキ鳴らしてもらいたい感じです。それにしてもくたびれたぁ。

 今日道頓堀では天神祭の提灯の飾り付けが始まっていまして、芝居が終わって夜、相合橋を渡ると全部の提灯に明かりが入っていてとてもいい雰囲気。

 この2,3日大阪は34度とか36度とかばかに暑い日が続いていまして、これが夜になっても全然涼しくなりません。ホテルでは起きている間はほとんどクーラーをかけっぱなしですが、寝るときには風邪を引きますから必ず切っています。今まではその冷えた状態が寝ている間続いて、夜中に暑くて起きることはなかったのですが、昨晩は暑かったですね。一晩中うとうとしながらクーラーを入れたり切ったりであまり熟睡できず、今日は朝から眠くて?参りました。

7月23日
 
昨日22日は「大暑」、大阪では日中38度になったとか。私は相変わらず一日中楽屋に居っきりなのでその暑さを体感しませんでしたが、外から帰ってくる人を見ると皆顔が真っ赤で、暑さでぼんやりしています。ずっと楽屋から出られないのも気分が変わらなくてつらいのですが、この暑さでは体力を消耗させに行くようなものなのでずっと楽屋で過ごしました。

 今月の松竹座は3日初日の27日千龝楽。中身の日数は変わらないのに一日ずれただけで、千龝楽が何となく遠く感じます。残り10日を切ってからは毎日「あと8回」とか「あと6回」と指折り数えてきましたが、今日でやっと片手になりました。それにしても今月は時間の過ぎるのが遅いですね。そろそろホテルの部屋の撤収にかからなくてはならないのですが、今度は3か月連続旅の本当のエンディング。
楽しい気分で片づけが出来そうです。
しかし今、あらためて部屋を見渡すと何と荷物の増えたことか!

「芝翫奴」開演前
向かって左は今藤佐敏郎さん、そして私

7月26日
 
20日過ぎくらいからもう疲れて疲れて、毎日はぁはぁ言いながら仕事をこなしてきましたが、夜の部「連獅子」の途中からから何だか身体中節々が痛いし顔が熱くてしょうがないので、帰り道に体温計を買って仲間と入った焼肉屋で計ると38度ありました。とうとう最後の最後にきて熱が出てしまったか、と楽の日のことを考えると憂鬱になってしまい今日は軽めに食事して早く寝ようなんて言っていたのが、いざお肉を焼きだすといつもと同じように美味しく食べられるし、おしゃべりをしていてもそんなにしんどくないし(熱があってかえってハイになっていたのかも)ちょっと安心しましたが、ひどくなると洒落になりませんから片づけもやめて薬を飲んで早々と寝てしまいました。

 今日は天神祭で道頓堀にも舟がたくさん出ていました。町中も浴衣を着た人、お祭りの法被の人が一杯ですごい熱気!

7月27日
 
本日千龝楽!あーぁ、やっと3か月の長旅が終わります。

 今朝、熱を計るとまだ37度くらいありましたが、荷造りをしてフロントに降ろしたりして汗をかいたら体がシャキッとしてきました。
 昼の部「荒川の佐吉」では終演後、島田正吾さんに勘九郎さんから花束の贈呈、そして島田さんの御挨拶がありました。楽の日というのは仕事の終わった人からどんどん帰っちゃいますので、今まですき間なく並んでいた三味線がだんだん減っていってがらーんとしてちょっと寂しくなります。
 「連獅子」では中日まで子獅子を勤めていた勘太郎さんが千龝楽に再び出演。開演前に勘九郎さんが「今日は90回くらいまではゆっくり振って、95回くらいからあと早くしますから」なんておっしゃっていたので、こりゃ今日の髪洗いは大変だぞと皆山台へ。
楽ということもあって客席の盛り上がりも最高潮の中、髪洗いになりまして、見ていると本当に髪洗いの合方(チリチリチリチリトチチリチリという最後の早い合方です)4杯目くらいまでは成程ふんわりふんわり振っていましたが、5杯目に入り勘九郎さんが片足引いて腰を入れてからはすごかったですね。その頃になるとこちらも見ている余裕などなく手を動かすのに必死!親獅子が止めの足を踏んだときにはホッとしました。客席にはスタンディングで拍手をする人も出てきて、異様な熱気でした。幕が閉まったあとに勘九郎さんが「立ち上がって拍手してくれて本当に嬉しいね」とニコニコ。
 最後の「浮かれ心中」では出演者の皆さん、千龝楽だけのいろいろなネタを披露して共演者を笑わせていました。勘九郎さんは小さい獅子頭をつけて再び髪洗いをやったり、福助さんはお盆にくっついた茶碗に続いて自分の手に茶碗を貼り付けたり。大騒ぎのうちに最後のちゅう乗りになりましたが、これも千龝楽特別版。
「イッツ・ア・スモールワールド」は途中までで宙乗りはもとの場所に戻り、そこで出演者舞台に全員集合。沖縄サミットも無事に済んだということで沖縄民謡でエンディング。舞台では皆踊っていますし、空中では勘九郎さんが鼠と暴れていますし客席は大興奮!!最高に盛り上がって松竹座は無事千龝楽を終えました。

 明日は始発ののぞみで帰りますので、5時前には起きなくてはなりません。寝坊しないように気をつけなきゃ。

7月28日
 
始発ののぞみで帰ってきました。今朝は5時半にはホテルを出なくてはならないので4時半起床。夜ほとんど寝られなかったので新幹線の中では寝っぱなしだし家に帰ってきてからもしばらくぼーっとしていましたが、そこに宅急便がきました。3か月連続旅の大荷物がドカドカッと玄関に積み上げられ、それを見たら余計くたびれてしまったのですが、この荷物を今日やっつけないと明日第2便がやってきて収拾がつかなくなりますのでバラシに取り掛かりました。なんとか3時間くらいで片付き、午後には行きつけの鍼の先生のところに行って首から背骨を鳴らしてもらって、やっと詰まった感じがなくなりました。しかしこんなに疲れたのって久しぶりです。

7月29日
 
今日から8月歌舞伎座の稽古が始まりました。
「紅葉狩」は平成5年9月以来ですからずいぶん久しぶりです。これは長唄、竹本、常磐津の三方掛け合いなので地方の人数だけでも約20人、そこにお囃子さんが上手と黒御簾合わせて10人くらい加わります。そして役者さんですから稽古をするロビーはすごい人の数です。地方を三つも使って歌舞伎ならではのぜいたくな舞台、ここに清元が入れば四方掛け合いになるのですが、さすがにそんな変なことをやろうと考えた人は今までいなかったのでしょうか。細かくきっかけがやって来ますので慣れるまではうかうかしていられません。
 「四谷怪談」は平成6年6月のシアターコクーン以来。私事でありますが、この年の5月にハワイで結婚式を挙げました。芝居も一ヶ月休みでハワイから帰ってきてから引っ越しなどで力仕事ばかりしていてあまり三味線に触らなかった、そんな舞台の感覚がぼんやりしていた翌月がコクーンの「四谷怪談」だったのです。「四谷怪談」のカゲというのは神経を使う黒御簾のベスト5に入るような、時間でも4時間近い大物です。自分の生活ががらりと変わった休み明けにこの仕事はきつかったですね。稽古が始まるといきなり毎日7,8時間くらい稽古場に詰めることになりまして、これがもうきつくて仕様がない。「社会復帰できるのだろうか?」と本当に心配になりました。今考えるとよく「四谷怪談」の2回公演なんてやっていたなと思いますが、あの舞台は役者さんのテンションも高く面白かったです。今日久しぶりに「四谷怪談」のカゲを弾きましたが、「浪宅」の薬を飲む件、髪梳きの独吟(竹垣の)などはやっぱり大変です。


8月1日
 
今日舞台稽古がすべて終わり明日はもう初日です。
「四谷怪談」も思ったより順調に進み5時間半くらいで終了。今日はこれでお終いなので帰りに草加までスポーツジムに行きました。1週間ぶりのプールは気持ち良かったです。

8月10日
 
初日が明いて1週間。今月私は第2部の「紅葉狩」と「四谷怪談」の浪宅からあとなので昼間はちょっとゆっくりの仕事です。初日が明いてやっと生活のパターンが落ち着いてきまして先月末の疲れもようやく取れてきた感じがします。芝居の方も何も変わったことなく毎日順調。「四谷怪談」のような仕掛けの多いものは、初日が明いて2,3日は転換や宙乗りになると黒御簾から見ている私達も緊張してしまいますが、何事もなく良かったです。

 今月の12,13日に国立小劇場で国立劇場養成課の音楽関係の修了生の発表会「音の会」がありますが、8日からその稽古が始まりました。今回私は「浅妻船」のタテをやらせていただいていますので少々緊張しております。明日は舞台稽古なのですが国立小劇場というのは何だかプレッシャーのかかる舞台で、今まで何回か発表会でタテを弾かせていただいていますが、どうもかちかちに緊張してしまってなかなか上手くいきません。今回の演奏会、私にとっても大切な経験ですので一所懸命やろうと思います。

 いやー、それにしても毎日暑いです。この暑さではさすがに秋葉原に行こう、なんて気にはならないですね。

8月22日
 
大変に御無沙汰してしまいましてすみません。
巷ではお盆休み、夏休みだったわけですが(うらやましいなぁ)私は連日歌舞伎座に通っておりました。今月は打ち出しが遅いのでうちに帰ると10時半。それから食事をしたり何か用をしていると寝るのが深夜2時、3時という具合で、どうも変な生活パターンになっています。
 とりあえず今までにあったことを書いてみますと、まず12,13日に国立小劇場で催された「音の会」。今回は私が「浅妻船」のタテを弾かせていただいたりで私個人としてもとてもいい勉強になりました。「今日はここはこう弾いてみよう」「お囃子さんと一緒に演奏するところのノリ」「弾いていてどうも姿勢が気になるなぁ」「目線をどこにもっていったらいいのかな」と他にも様々なことを考えて舞台に行くのですが、いざ本場になるとカッカしてしまい忘れそうになるのを今回は冷静になるべく忘れないようにしながら弾きました。開演前にインターネット歌舞伎友達の面々が代わる代わるプレッシャーをかけに楽屋に遊びに来てくれて楽しかったです。

 歌舞伎座では別に変わったこともなく無事に毎日進んでいますが、「四谷怪談」で1週間ほど前から3階席に幽霊が出るようになりました。
 コクーンの時、「どこかから‥誰かが‥ダダダダダッ」と水よけの指導していた坂東吉弥さんの舞台番が今回復活していますが、毎日黒御簾から見ていると日によって語り口がいろいろで楽しいです。
私としては吉弥さんが「フッフッフ」と笑うちょっとブラックな怖い時が好きですね。
 いつでしたか「紅葉狩」の最中に結構大きい地震がありました。グラッときた途端、歌舞伎座中が「ミシッ!」として客席はちょっとざわざわしてしまいましたが、そのまま収まりました。上演中の地震というのは山台でも「ん!!」と一瞬緊張が走るのですが、何気なく天井の方を見ると地震が収まってもしばらくの間吊りものや照明が上でガチャガチャぶつかっていて、これってかなり恐いです。

 何だか急に涼しくなりました。うちはマンションの10階なので窓を全部開けると風がよく通って実に快適です。この2,3日は、暑くて夜中にクーラーをかけに何回も起きることなく久しぶりによく寝られました。トップのページに書いてありますが、家内が9月に「嗤う伊右衛門」(京極夏彦原作)という芝居に出ます。題からもお分かりのように四谷怪談がらみの話ですから小道具もおなじみのものがが必要で、家内が買ってきた「蚊帳」やら「赤ちゃんの人形」が壁に寄りかかっていたり、先週あたりは家の中は何とも妙な状況になっておりました。どんな舞台になるのか私にもさっぱり分かりませんが、お時間がありましたらどうぞお出で下さい。

 昨日友人と資生堂パーラーで「チョコレートパフェ」を頂きました。表に写真が出ていて今まで「美味しそうだな」と思いながら前を通っていたのですが、ようやく念願叶いました。男二人でチョコレートパフェをつついているのは妙な景色ではありますが、このパフェ実に美味しいです。

8月24日
 
昼間は国立劇場の養成課の稽古。ずっと旅に行っていたので4月以来、ずいぶん久しぶりです。今は黒御簾の曲を栄左衛門師の「歌舞伎音楽集成」から抜粋して稽古しています。一つ一つは短い曲ですが、次から次へと初見で弾いていきますから皆結構苦労しています。でもだんだん譜面を読むのが早くなってきました。
 終わって歌舞伎座に向かうのですが、今日も凄まじい暑さ。簡単にめげてしまってタクシーに乗って外を眺めていると、マリオンの前で着物袴姿でバイオリンを弾いている変な人が!先週も見かけたのですが毎日炎天下でああやっているのでしょうか。

 27日に歌舞伎座で「演劇人祭」があります。その時に福助さん、橋之助さんの「正札附」、猿之助さん、亀治郎さんさんの「連獅子」がありますが、今日は終演後に「正札附」の舞台稽古がありました。「正札附」というのは短い舞踊ですが、山台が上下に割れたり山台のうしろの格子柄の板が途中ではずれたり道具は大変です。今日の舞台稽古は30分くらいで終わりましたが、明日は「連獅子」ですから結構遅くなりそうです。

8月25日
 
千穐楽まであと1日となりましたが、ここ連日の暑さでかなり参っております。
今日は終演後「連獅子」の舞台稽古。猿之助さんの「連獅子」は大学4年の時(昭和59年1月歌舞伎座)に一ヶ月弾いたことがあるのですがどんな様子だったかはすっかり忘れてしまいました。予定では終演後10時15分からだったのですが始まったのは10時半過ぎ。私は事前の稽古にも出られなかったのでぶっつけ本番で、どうもこういう様子の分からない状態で弾いているというのは何だか厭なものです。
終わったのは11時半を回っていまして、タクシー券が出ました。

8月26日
 
さて千穐楽であります。昨日遅かったので今朝は全然起きられず、どうも身体がぼんやりしています。今日は隅田川の花火なので浅草はすごい人出。私は今年も花火が見られず今のマンションに越してきてからの「花火が見られない」記録を更新しています。うちからですと第1会場の花火がとてもよく見えるそうなのですが、来年こそは是非見たいものです。昨日一昨日の「終演後の部」で結構くたびれましたが、私は今日も終演後に別の仕事の稽古がありまして、3日続けて「夜の御仕事」。

8月27日
 
「演劇人祭」というのは結局どういう趣旨の催しなのかさっぱりわからないままドドッと終わってしまいました。こちらの出番は「正札」「連獅子」の二番でしたが幕間は7分、楽屋に戻り肩衣を取り換え、糸を換え、トイレにいって、舞台に行って、山台に座るとすぐ片砂切が始まるという慌ただしさ。舞台が結構暑かったので終わったらちょっとぐったりしてしまいました。明日からは9月歌舞伎座の稽古が始まります。はぁー、また休み無しだ。

8月28日
 
今日私は「道成寺」と「御殿」の稽古だけだったので3時半頃終わってしまいました。こんな明るいうちに楽屋を出られるのは本当に久しぶり。夕方一ヶ月ぶりにプールに行ってきました。日中はやはり相当身体が温まっているのかプールに入ると本当に気持ちいいです。

 先のことですが9月の末から1週間、勘九郎さんの舞踊公演でフランスのリヨン、そのあと10月の半ばから韓国に行くことになりました。韓国では、一つの芝居を日本、中国、韓国で一場ずつ受け持って上演ということだそうですが、どんなものになるのでしょうか。しかしひと月に2ヶ所も外国に出かけるのは初めてです。

8月31日
 
今日で舞台稽古が全部終わりましたが、いつになく今回の稽古はずいぶんスムーズに進み、4日間とも早い時間に終わりました。8月中は楽屋を出るのが夜の10時近かったですから、明るいうちに終わるというのは何だか嬉しいです。
 9月は児太郎君の襲名、国生君、宗生君の初舞台ということで稽古中に取材陣が大勢来ていました。「道成寺」にもかわいい所化で出演していますが、その途中でミニ口上になり「よろしくお願いいたします」と一人ひとり名乗るのですがそれを両わきで見守る福助さん、橋之助さん、嬉しいのはもちろんのことですが御苦労も大変なことと思います。横で見ていた芝翫さんもニコニコしていました。

 トップのページに書いてある家内の芝居が9月1日から始まるのですが、今日はそのゲネ。本番になると私の方も初日が明いて時間的に見いけないので、今日カメラをもって見に行きました。