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坂東吉弥さん

4月2日
 
先月の27日に歌舞伎座が千穐楽になりまして、金比羅の稽古が始まるまでに4日間のお休み。今年はうまい具合に次の稽古までに1日、2日休みというペースが続いていまして、これはやっぱり楽ですね。何と言っても去年は九十九里浜で年が明けて7月松竹座の千穐楽までにたった1日しか休みがありませんでしたから‥

 この4日間のお休み、1日目は暖かくて良いお天気でした。
友人と神田の「まつや」そばがき「万惣」ホットケーキと美味しいもののはしご。万惣をでて正面を眺むればそこはしばらくご無沙汰となってしまう物欲地獄・煩悩地帯「秋葉原」。帰り道にずーっと歩いてこの日は何だかのんびり過ごしてしまいました。

 次の日、起きたら喉がチクチク痛い。楽の前日あたりかな、ちょっと風邪っぽかったのでお医者さんで薬をもらって飲んでその時はすぐにケロッと治ったように思っていたのが復活したのか?すぐお医者さん行ってまた薬をもらって‥まぁすぐ治るだろうと思ったらこれがそんな簡単なものではなく、久々の凶悪な扁桃腺炎になろうとは想像できませんでした。
 抗生物質、消炎剤飲んでも日に日に悪化。扁桃腺はもう白いテンテンだらけで痛みはひどいし熱は出るし、稽古が始まるまでには直そうと思ったのに結局ダメで昨日から点滴打ちに通うことになってしまいました。点滴のおかげで昨日から始まった稽古もどうにか乗り切れましたが、こんなひどいのは久しぶりです。てなわけでこの休みは何もせず本当のお休みになっちゃいました。

 今回の金比羅歌舞伎で私「見染・源氏店」の舞台を弾かせていただくことになりました。これは世話物の黒御簾では大物で難しいもの。今まで先輩と一緒に弾かせていただいたり何度も経験していますが自分が舞台を、となるとこれは大変で稽古の1日目はもうカッカしていてとにかく最後まで弾いたという状態でした。
 芝居や台詞の大事なところ、要所要所はチェックしてありますが録音したのを後で聞いてみると考えていたとおりに全然弾けていないんですね。終わった後、稽古を見に来て下さった栄津三郎さんにいろいろ教えていただいて、さて今日は総ざらい。
 稽古中に仁左衛門さんに所々直していただいたり、自分でもイメージがはっきりしてきたので昨日よりは冷静に弾くことが出来ました。むずかしい黒御簾ですがやってみないことにはわからないことばかり。今回は本当に貴重な機会なので一所懸命やらせて頂こうと思います。
明日は金比羅乗り込み。3年ぶりの「金比羅歌舞伎日記」始めます。

4月3日
 
金比羅乗り込みです。正午に羽田のJAS団体カウンター集合、仁左衛門さんはじめ一行は空路高松へ。高松空港に降りると暖かいの通り越して暑い感じ。風は心地よいし何とも爽やかですが、この頃来るといつも満開の桜は「あーぁ!」東京と同じくすっかり散っていました。
 バスで小一時間揺られて、ホテルに到着。部屋に荷物を置いてすぐに楽屋を作りに金丸座に出かけました。歩いていると半袖でも良いような陽気、あちこちでチューリップは咲いているし、春ですなぁ。

 私の今回のホテル、ツインのシングルユーズなので部屋もそこそこ広いのですがベッド、ソファー、テーブルなどの配置がどうもへんてこで使い勝手が良くないのです。部屋に入るなり皆それぞれ配置換え開始、モデルルームがAからCまで3タイプ出来上がりました。他の方も部屋の中の配置には?と感じているようで「ちょっと見せてくれる」と覗いていく方も。

明日は舞台稽古です。

4月5日
 
4日は舞台稽古でした。稽古場では一つの視界で全体が見渡せますが、舞台に来ると舞台奥、上手下手、花道とあちこち目を配らなくてはならないのでずいぶん勝手が違います。ちょっと緊張してしまってきっかけ落としそうになったり危なっかしかったですがどうやら無事に終わりました。
 金丸座の黒御簾は板一枚向こうは外ですから、朝とか夕方はすごい底冷えで寒かったです。

 今日5日は朝から快晴。私もようやく体調が元に戻り体温計は久しぶりに36.5度を指すようになりました。家内が遊びに来たので早速金比羅さんに登りました。何度登ってもここは大変なもので足はガクガクするし明日は筋肉痛になりそう。
 もうダメかなと思っていた参道の桜はやはりほとんど散っていました。うーん残念。しかし宝物館の裏手をぶらぶら行くといい感じに咲いているしだれ桜を発見。いやいや見事でした。

 午後2時半からは恒例のお練り。
金陵の里を出発して琴平の街をぐるっと一回り、沿道には大勢の方が出て役者さんの乗った人力車が来ると黒山の人だかり。一カ所通り過ぎると報道陣は次のポイント目指して裏道を走りカメラのセット、私もその後を付いてお練りのコースを先回り。しかしどこに行ってもすごい人で、まぁ賑やかなうちに元の金陵の里に戻ってきました。金陵の里の中庭のステージでは役者さん皆さんがご挨拶、最後に鏡開きで乾杯、手締めをしてお開きとなりました。
この後5時から「すしや」の素の舞台稽古がありましたのでその足で金丸座へ。

お練り写真
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仁左衛門さん
竹三郎さん
孝太郎さん 宗之助さん
時蔵さん
愛之助さん
弥十郎さん
吉弥さん
鏡割り・紙吹雪・提灯

明日はいよいよ初日です。

4月9日
 
6日に初日が明きました。舞台稽古から初日というのはいつでも緊張するものですが、今回は格別!
 楽屋で待っている間は何だか緊張しちゃっていろいろ考え込んでしまうのですが、舞台に行って芝居が始まると「見染・源氏店」のカゲというのはとにかく忙しいのでよけいなことを考えている間はありませんからとんとんと進んで終わったような感じでした。
 「見染」は20分くらいの舞台ですが、ほとんど弾きっぱなし。
次から次へときっかけがやってきて、台詞一言の間に調子を替えてすぐきっかけというようなのも何カ所かありますし、やっている最中は無酸素状態。「源氏店」になると弾き流しが長くなりますのできっかけに追われることはなくなりますが、芝居を見たり台詞を細かく聞いたりこちらはこちらでまたとても難しくなります。通すと1時間15分ですが一時たりとも気が抜けません。
 今日で4日目、ようやくその状況にも慣れてきて全体的に整理がついて落ち着いて弾けるようになってきたような気がします。

 前の金比羅歌舞伎日記にも書きましたが琴平には温泉があります。私の泊まっているホテルにも広々として実に気持ちのいい大浴場がありまして、毎日のんびり温泉につかって何とも結構な毎日を送っております。
 食事は毎日毎日宴会の食事がドカーンと出てきまして、最近ちょっと食傷気味。前もカレーライスにお刺身に天ぷらに最後にうどんすきというへんてこな献立がありましたが、昨日それに近いものが出ました。
 カレーライスにお刺身、豚のショウガ焼き。これですでに「なんやこれ?」という状態なのに固形燃料で暖める小鉢の中は「鯖の味噌煮」。食べている人みんな「ん〜?」「変わってまんなぁ」実に不思議な食事でした。

 家内が来ていたときに行ったお鮨屋さんは美味しかったです。ガイドブックに出ていたお店なんですが穴子は身がたっぷりしていてホコホコ、カンパチは脂がのっているし、タコもプリプリしていたし頼んだもの全部美味しかったです。また行きたいなぁ。

 初日2日目あたりは天気が悪く湿気がすごかったですが、今日は気持ちよく晴れて楽屋を抜ける風も爽やか。気持ちいいですよ。

4月12日
 
このところ琴平方面は寒いです。曇っていて気温が低いところに雨が降ったりして金丸座の黒御簾はじっとりと冷え込み、ホカロンを懐に入れておかないと座っていられません。本当に寒くて風邪を引きそう。体も寒いのですが「源氏店」の中頃になると手がかじかんでコチコチ。それがちょうど「さんげさんげ」の長い弾き流しあたりでピークになってくるんですが、このあとに大事な「新内流し」がありますので「えー、ご新造さんへ‥」なんて言っている間は手を暖めています。
 しかしまぁいつもこんなに寒かったかなぁ。こんな時に温泉というのはありがたいもので寝る前に一ッ風呂浸かってくると体が温まってほんわかよく寝られるんですね。

高灯籠と八重桜

早いもので明日は中日です。

4月19日
 
今日は久しぶりにカラッと晴れました。晴れたけど風が冷たいので相変わらず舞台は寒くて鼻はグズグズしてくるし手は動かないし参りました。

 金比羅歌舞伎も残すところあと2日となりましたが、このあとに山口県長門市の「ルネッサ長門」というところでもう2日間公演がありますので千穐楽の日は終わった人から移動して岡山泊、翌22日長門市へ移動となります。長門市というところ、私初めて行くのですが下関とかその近所かと思っていたら日本海側の都市なんですね。「萩・津和野」の「萩」も近くで、時間があったら遊びに行ってみようと思います(萩ってまだ行ったこと無いのです)

4月21日
 
朝から風は強い、濃霧、雨と変なお天気になってしまいましてせっかくの金比羅歌舞伎千穐楽、お天気に恵まれませんでした。でもお客さんの熱気は今までで一番、大向うも盛んにかかっていまして「見染」で客席を一回りするところではすごい歓声!やっぱり楽の日はいいもんです。

 長門へ行くメンバーはこの日岡山泊まりなので、私も「すしや」を終わって岡山へ。久しぶりに瀬戸大橋を渡りました。5時半に岡山に着きホテルに荷物を置いてぶらぶらと久しぶりの岡山の町を散策。琴平にいる間だいぶ活字中毒が進行してしまったので大きな本屋を何カ所かはしご。

4月22日
 
長門市へ移動です。昨日とはうってかわって快晴、爽やかで気持ちのいいお天気です。11時41分岡山発のこだまに乗って厚狭下車。「厚狭(あさ)」という駅、小郡と新下関の間にあるのですがこんな駅知らなかったなぁ。新幹線の駅だというのに駅前には何もなく、ロータリーにタクシーが2台ほど止まっているだけ。ここからはバスで長門市内へ向かいます。

 長門の宿ですが2つありまして一つは温泉旅館、もう一つはビジネスホテル。温泉旅館の方は大変良い所だそうで、幹部俳優さんたちはこちらなのですが、長唄さんがもしここに泊まるとすると全員一まとめで相部屋。一方のビジネスホテルなら全員シングルルーム。さてどうするということになりましたが長唄はシングル希望ということでビジネスホテルになりました。しかしこの後の、頭取さんの気になる一言「とにかく一軒しかないビジネスホテルでシングルはシングルですけど‥向こうについて皆さん‥文句いわないでくださいね」
 「むむっ!何だ何だ、そんなすごいところなの」と楽屋で皆言葉を失った、そんなことがありましたのでちょっと不安を感じつつバスは山間を走り、まず着いたのは「○○山荘」。目の前にドカーンと現れたのは大きくて立派な建物。宿の入り口には渓流のせせらぎ。お庭もきれいだし皆「ほぉー!!」
 まわりには大きな温泉宿がいくつもあり、このあたりは「長門湯本温泉郷」なのです。金比羅に続いて温泉、いいなぁ。
 ここに泊まる人が皆降りるとバスはすっかりがらーんとしてしまい、ビジネスホテル組を乗せたバスは再び走り始めました。
長門市街までは5キロ、進むにつれて道路沿いが賑やかになってきて本屋、ベスト電器、大きなスーパーマーケット、「おっ!いろんなものがあっていいじゃない」と喜んでいるところに現れたホテル。
「あれっ?」というくらい建物が薄い。ホテルってこんな薄っぺらかったかしらというくらいすぐ裏側に行けちゃう。キーをもらって恐る恐る部屋にはいると‥「文句いわないでくださいね」というほどのものではなく部屋はきれいだしベッドも広い、冷蔵庫がないのがまあ不便ですが考えていたのよりはずっときれいだったので良かったです。部屋の横幅は普段大阪や京都で泊まっているホテルよりより広いんじゃないかなぁ。

 荷物を置いて街を探検。
ホテルの裏手に駅があり、これが「JR長門市駅」
山陰本線と美祢線が走っています。長門市というところは近松門左衛門の出生伝承の地、童謡詩人金子みすずの生誕地。
 北長門海岸国定公園の青海島というところは海上のアルプスと呼ばれている素晴らしいところ。仙崎は海産物にかまぼこ、と名物に観光スポットがたくさんあります。この日は移動で長門市に着いたのが午後3時半をまわっていましたからこの辺の観光はまた明日ということで、街をブラブラして食事をして早々と就寝。

4月23日
 
明け方から台風みたいな天気、風はすごいし雨がバラバラッとホテルの窓に当たる音でずいぶん早くに目が覚めてしまいました。この日は夜6時から一回公演。昼間は時間がありますので青海島へ行く計画だったのにこの天気で中止、残念。結局昼過ぎまで雨は降り続け楽屋に入った3時過ぎようやく天気が回復してきました。
 「ルネッサ長門」というホール、初めて来ましたがいいですね。舞台に直角の花道に回り舞台、黒御簾は歌舞伎座並みの広さがあり視界も良好、独立したスペースになっています。客席もきれいで桟敷もありこぢんまりとしていて音響も良い、もちろん楽屋もきれいです。  いままでやっていた金丸座とは建物、舞台の広さ、音響‥まったく別のものですから唄、合方の寸法も変わりますし音の出方もわからないのでちょっと苦労しました。

4月24日
 
1時からの一回公演でいよいよ本当の千穐楽。「見染・源氏店」の舞台が自分に勤まるのかこの3週間は緊張の連続でしたがどうにか無事に終わることが出来ました。

 終演後全員バスで山口宇部空港に移動。いつもは空いている路線なのでしょうがこの日最終の羽田行きは芝居の一行が乗っているためか満席。21時15分無事羽田に着陸、終わった終わった。

4月27日
 
この日は俳優祭のお稽古。用事は「あやめ浴衣」の後見と「野崎村」のカゲなのですが旅に行っていたためどっちも全然様子がわからずなんだかどうも‥
「野崎村」のカゲというのは普通なら簡単な仕事なのですが天地会ですから普通に進むわけがありません。台本を読んだら「めっちゃいけてるやろ」の「中村靖子」「プリンセス天宝」「滝の白糸」「狂言師姉妹に謎の後家」という後半の面々‥
 こりゃ何を弾かされるかわからないぞ、と舞台稽古になりましたが大体がテープを使っていたのでこちらは3カ所だけ三味線を弾くということになりまして一安心。

 28日は俳優祭当日でしたが、朝から「あやめ浴衣」の舞台稽古があってそのままドドッと本番が明いて何だか一日中忙しかったです。

4月29日
 
慌ただしいもので京都乗り込みです。稽古開始が午後3時と遅いので東京駅に行くのもゆっくり、あー助かった。



5月5日
 
4月24日に長門から帰ってきて4日間家にいましたが俳優祭のお稽古やら本番でそんなにゆっくりも出来ず、29日には京都に来てすぐ稽古。2日に初日が明いてやっと生活が落ち着きました。

 今月は昼の「藤娘」でお役ご免。2時には楽屋を出られますので、すごーく気が楽。
久しぶりに京都の町を歩き回ろうと思ったら今はゴールデンウィーク真っ只中、河原町通りや四条通りはすごい人出で歩くのが大変です。3日はカラッと晴れましてまさに五月晴れ。三味線もカラッとして気持ちよかったです。
 終わってブラブラ歩いていてあんまり気持ちがよいので「プレステ2」買っちゃいました。そのあとソフト売り場でDVDを眺めていたら蜷川幸雄さんの舞台「身毒丸」とこの間見逃した「四谷怪談」があってそれも買っちゃいました。どちらも見たかった舞台だったのでDVDが出たのは嬉しいですね。

5月16日
 
14日に中日を迎え芝居は残り半分、来月の出し物の稽古やらで何となく慌ただしくなってきた今日この頃でございます。
 早く仕事が終わりますから月初めにはあちこち行くところを計画していたのに、今月はどうも雨が多いです。「五月晴れ」は数えるほどで「五月雨」ばっかり。
雨の日は本屋にデパートをうろうろ、というのにもさすがに飽きてきまして先日、よりによって雨の強い日に「晴明神社」と「戻橋」に行って来ました。

 実は「京都魔界案内」という文庫本を読んでいるのですが、この本に出ているところを順番に行ってみようかといつもの観光と趣向を変えて魔界巡り。
京都というところはその歴史からいってもどこもかしこもいわくのある土地柄だと思うのですが、霊とか感じやすい人にはいろんな物が見えてしまって大変だということをよく聞きます。仲間のうちでも感じやすい人は泊まるホテルによっても夢見が悪い、金縛りにあった、部屋の中で子供が走っているのを見た!とかいろいろな現象が起こっているようです。いつも定宿になっているホテルの状況を考えると、河原町三条を上がったところのホテルでは窓から見えるのは隣のお寺の墓地、裏は本能寺でここもお墓がたくさんあります。河原町松原のホテルだとすぐ脇は鴨川の河原で、ここはその昔刑場だったりしますからいろんなものが漂っているのでしょうね。私はそういう方面の感受性が鈍いのかどこに行っても何も感じたことがありません。
 ただ一つあれはそうだったのかなと思うのは昔の明治座で徹夜の稽古をやっているときに客席のトイレに行きまして手を洗っていたら扉がズズッと閉まり、誰もいないはずの掃除用具入れのドアの中から妙な気配を感じたことです。急に気味が悪くなってトイレから飛び出したのですがこれが唯一の体験。

 なーんて怖いところばかり行っていると知らないうちに何かを引っ張ってきて夜中に絶叫、ということになりかねませんから一昨日は宗旨を変えて島原に行って「角屋」を見学してきました。京都にはずいぶん来ているのに島原って今まで行ったことがなかったんです。
 大門をぬっとくぐると通りの両側はマンションやビルで往時を偲ばせる古い建物は数えるほどしかなくちょっと寂しい感じ。「角屋」ではちょうど団体さんが入って係りの人が説明をしているところで、一緒にくっついていろいろお話を伺うことが出来ました。パンフレットには金蒔絵の三味線の写真が出ていて「おっ!」と思ったのですが本物は展示室には見あたらず、どこに展示してあったのかなぁ。

 今月泊まっているホテルの枕がふわふわしていていくらつぶしても沈まない代物。寝にくいなぁと思っていたらだんだん首を圧迫してきて首から左肩がコチコチに凝っちゃってひどくなってきました。特に肩がズキズキ痛くて眠りも浅く疲れるので家から「テンピュール」を送ってもらったらやっと眠れるようになりました。しかし左肩はいっこうに良くならず腕がぶらーんと取れちゃいそうな感覚で痛みはひどくなる一方、指先の痺れまで出てきてこりゃちょいといけねぇなと思い、先輩から紹介された整体の先生に通うようになったらようやく治ってきました。こんなの初めてなんですけど指先の痺れには参った。

 こっちに来て買った蜷川幸雄さんの芝居のDVD3枚「身毒丸」「四谷怪談」「真情あふるる軽薄さ・2001」全部見ちゃいました。
 河出書房新社から今年刊行された「Note 蜷川幸雄 1969-2001」という蜷川さんの芝居の集大成本、只今私の愛読書となっておりますがこの本には実際の演出ノートが載っていまして読みながら見ていると面白いです。

 DVDといえば見たかったのが「ハンニバル・完全限定スペシャルボックス」でこれには本編より長い時間の未公開映像他いろいろスペシャルな物が豪華ボックスに収められています。中でも見たかったのが「もう一つのラストシーン」と原作にあるのに映画ではお蔵になった「未公開映像」。
 早速こっちで探しましたが京都の大きなCDショップ、あらかた見たのにどこにも置いてありません。大阪に行けばあるだろうと梅田の大きなお店、何軒か歩きましたがこれまたどこにも見つからない。「完全限定」ということはもうすっかり売り切れちゃったのかしらとインターネットで調べてみると発売元の東宝のネットショップではちゃんと扱っていましてすぐ申し込んじゃいました。

目出度く本日これが届きまして、これから見ちゃうんだー

豪華布張りBOX 入りなのだ

 来月は旅3ヶ月目、博多に行きますがホテルではなくマンスリーマンションにすることにしました。旅先では初めてのことですが環境も変わるし今から楽しみです。

5月最終分

 先週はちょっと遠出をして17日は奈良国立博物館の「東大寺のすべて」を見に行きました。奈良に行くのも久しぶりですし「東大寺のすべて」は見に行きたいなぁと思っていたので今月は時間的にもラッキーでした。
 初めて東大寺から外に出たという国宝の「日光菩薩像」「月光菩薩像」素晴らしかったですね。他にも「良弁上人坐像」「不空絹索観音像宝冠」などなど国宝、重文、貴重なものがたくさん出陳されていまして圧倒されました。「勧進帳」の読み上げに出てくる「俊乗坊重源」、国宝の「重源上人坐像」は21日からの展示ということで見ることが出来ませんでした、残念。
 博物館を出たら5時、大仏殿は5時半までなので間に合いそうだから行ってみるかと歩き出しましたが博物館から東大寺の正面に行くまでで10分、そこから大仏殿の入場券売り場まで10分、ようやく大仏殿の回廊の中に入ったのは5時20分をまわっていましてそこから大仏殿まではまだ結構距離があります。大仏殿の正面ではもう大きな扉を閉めにかかっているし「待ってくれ〜」小走りで大仏殿に駆け込みました。久しぶりの大仏殿ですが、建物もすごいし大仏さまも立派。昔の人は本当にすごい物を作ったものですね。はぁはぁいいながら大仏殿の中を一周したときには5時半、どうにか間に合いましたが、東大寺の境内てものは何て!広いんでしょうか。

 18日は壺阪へ。
関西の歌舞伎オフ友達と、美味しい食事とお酒のお店「やまと吉永」さんに行って来ました。こちらは去年9月まで宗右衛門町で「DUO吉永」というお店をやっていらっしゃたのですがその後壺阪に移転し、新しいお店は古民家を改造した建物でどっしりしていて実に味わいがあり、蔵を改造したお宿もあります。
 壺阪というとちょっと遠いのでいままで関西に来たときでもなかなか伺えなかったのですが、今月は時間がありますのでゆっくりして参りました。

 壺阪といえば「壺阪霊験記」で有名な壺阪寺があります。芝居者としては是非行ってみたかったところなので食事に行く前にお参りに行って来ました。観世音菩薩の威徳で沢市の目が治ったということからもこのお寺は眼病に御利益があります。八角円堂には十一面千手観世音菩薩像が安置されていてそのまわりにぐるっと八角形の通路があり奉納された舞台写真がずらっと並んでいます。途中には触ると夫婦円満に効く「沢市の杖」というのがありまして、これは沢市が使っていた物と伝えられています。
 外に出ると「お里・沢市の像」その後ろ赤い欄干の向こう側はうっそうとした谷でここは二人が身を投げた谷だそうです。本堂も三重の塔も古めかしくていい雰囲気のお寺でした。
 売店で面白い物を発見。眼病に効くお寺ですからお土産に目薬を売っていますが、その名前が「沢市目薬V」!見てすっかり可笑しくなってしまい一つ買ってきました。ちゃんとご祈祷済みなんですよ。

 楽まであと少しとなりホテルで荷造りをしていたらテレビで「俳優伊藤俊人さん、くも膜下出血で死去」というニュース。
彼は大学の同期でした。学科は違いますが部室が隣同士(伊藤君は落研)だったので毎日部室前で顔を合わせたりしているうちに親しくなりました。表情豊かで面白い人でした。卒業後は会うこともないしすっかり忘れていましたがあるときテレビを見ていて「あれっ、伊藤君かなぁ?」チラッと久しぶりに顔を見たのが「古畑任三郎」
 その後はテレビドラマ、舞台とあちこちで目にするようになり大活躍で良かったなぁと思っていたのに本当に残念です。謹んでご冥福をお祈りいたします。

26日に東京に帰り、27日からは「NHK古典芸能鑑賞会」の稽古。今回は播磨屋さんの「俊寛」でずっと楽しみにしていました。