12月4日

 11月30日に顔見世の初日が明きました。
昼夜ともお芝居4本ずつで時間大丈夫なのかしらと思っていたんですが、初日はまず昼の部が30分遅れまして夜の部の明いたのが5時(本当は4時半開演です)
 その後少しずつ遅れて最終的に40分遅れて夜の部終演は10時10分。楽屋を出たのは10時半でした。初日はいろんな段取りがわかりませんから遅れに遅れて時間的にこれ以上は無理、ということで最後のお芝居が預かりになったりした事が以前はあったそうです。顔見世に来てこんなに遅い終演は私は初めてですが、昔はこのくらいが普通だったそうですね。
 二日目からは大道具さんも早くなって30分短縮でほぼ時間表通り。今日は初めの時間表より約10分縮まりまして9時15分に終わりました。

 こちらに来てからずっと暖かくて顔見世らしからぬへんてこな陽気でしたが今日初めて終演後に「9℃」の表示。少し寒くなってきました。

 新年は松竹座にいく事になりまして、年またぎでいよいよ4ヶ月連続旅。
播磨屋さんの「土蜘」は前から見たかったので(見てないで弾かなきゃいけないんですけど)楽しみです。しかし「土蜘」というのは1時間20分くらいの間休み無く弾いているようなバチ数の多い曲ですから覚えるのが大変。智籌が出てからのところは頭に残っているんですが胡蝶だの間狂言は現時点ですっかり忘れてしまっていますのでこれから覚えにかからなくてはなりません。

12月9日

 ずっと暖かかった京都ですが昨日あたりから冷え込んできまして、ようやく顔見世に来ている感じがしてきました。今月の私のお仕事は夕方5時50分頃から「英執着獅子」「廓文章」「西遊記」と三つぶっ続けでバンバンバンとやっております。中日からは「そば屋」やって「西遊記」は助かりという、少しだけ早上がりが出来るようになります。

 今月の「英執着獅子」ですが「英執着獅子」という曲そのものを弾いているところは前半の鴈治郎さんが踊っていらっしゃるところだけでして、ここにも途中「相生獅子」の「夏の夕暮れ」が入れ事になってます。
 鴈治郎さんが「早め」で花道を引っ込んだあと翫雀さん、吉弥さん、亀鶴さん三人の踊りになりますがここからはまず「三下りのセリ合方」、長唄「花車」の「引けや引け引け〜」「初恋の〜」、「春の野山〜」は「女夫万歳」という上方の黒御簾の曲、「花の数々〜」は長唄「花の友」の段切部分、最後は上方の黒御簾の「早舞合方」という構成。
 後になってからは「大薩摩」が終わると「本調子のセリ」、「狂い」は本調子の狂い(鏡獅子や連獅子で弾くもの)「獅子とら」は「勝三郎連獅子」、髪洗いは「大望月」の合方を弾いています。こんな様子だったので入れ事で増えた部分を覚えるのも大変でしたがその抜き差しの整理が一苦労。舞台稽古、初日あたりは考え考え弾いていてヒヤヒヤしっぱなしでした。
 「英執着獅子」ってやり方がいろいろあってそのたび毎に抜き差しがあって入れ事があって、と簡単にはいかないものなのですが、こんなにややっこしいのは初めてですね。よく筋書に唄の文句がそっくり出ていますが、今月のものは上記のような構成ですから「英執着獅子」そのものとは似ても似つかぬものになっています。今月の筋書はどうなっているのかな?

 「土蜘」ですが、録音の良い音源をパワーブックに取り込み、波形ソフトで必要なところだけにカット。それでも長唄の始まりから段切れまでで75分あります。長い曲ですからインデックスを打つためにきっかけ毎に細かく切り出し、それをMP3にして「iPod」に入れて毎日聴いています。
何といっても大曲、早いうちから取りかからないと間に合いませんからね。

12月17日

 顔見世は13日に中日になりました。
何となく今までは日が早く進んだような感じがするんですけど、後半くたびれてくるとこれがなかなか進まないんです。
 もし2月まで旅が続くとすると(イヤな仮定だ)この顔見世の中日が5ヶ月連続旅の2.5ヶ月目で「真の中日」となります。
 私を含め来月松竹座に行く事になっている「4ヶ月連続決定でなお5ヶ月目の可能性大」の面々は「や〜っと真の中日がやってきた!」
しかしまぁ先は長いですねぇ。
 うちの社中では年間旅に一番多く行った人に「旅賞」なるものが出ます。
今年は7月終了時点で里長師、栄津三郎さん、私が3ヶ月で並んでいたのに、この終盤の連続旅で私がドンと引き離し「6ヶ月」で私が「旅賞」決定。ちなみに一昨年は私「7ヶ月」行きまして「旅賞」受賞していますのでこれで2連覇!

祝!「土蜘」どうやら最後まで譜面なしに弾けるようになりました。
もう一頑張りです。

12月30日

 前回更新してから以降NHKの収録(そば屋、執着獅子)があったり、芝居の合間に来月の「土蜘」の稽古をしたり、部屋の片づけもしなけりゃならないし細かく予定が詰まってきまして、少々バテ気味で突入した最後の1週間は日の経つのがジリジリと遅くて本当にくたびれました。

 26日に無事千穐楽を迎え旅3ヶ月目がどうにか終了しましたが、翌27日には大阪入りして松竹座の稽古が始まりました。今回一番大変なのはやっぱり「土蜘」で、長唄だけさらうだけでも1時間近くかかりますし、きっかけやその他諸々整理して「附」「総ざらい」「舞台稽古」と3回の稽古でまとめるには大変なものだなとあらためて実感しました。播磨屋さんが「土蜘」を演じられたのは昭和52、3年頃の演舞場というのが記憶にあるのですが、これは残念ながら見ておりませんので今回はとても楽しみです。

 来月はマンスリーマンション生活で、今回は博労町というところ。まわりは問屋街で心斎橋筋のアーケードはすぐ。東急ハンズは近いし食べ物屋さんもたくさんある、24時間営業のダイエーはある、というとても生活しやすい環境。
毎日鍋が出来そうで楽しみ〜。

 去年は12月28日頃に大阪で扁桃腺を腫らしひどい目に遭いましたが、今年は無事にその厄日をのりきりまして29日に松竹座の稽古終了、年内の予定がすべて終わりました。
 年末年始は伊勢・志摩で迎える事になりまして本日は「志摩スペイン村」に来ています。明日は生まれて初めての「伊勢神宮へ初詣」で年越しの予定です。