11月3日

 10月26日に国立劇場が千穐楽になりました。
国立劇場の公演というのは1日1回公演で5時頃には終わるし、初日が明いちゃえばちょっと楽かな、なんぞと思っておりました。実際に2週目頃までは芝居の他に用事も無くのんびりモード。休館日でお休みの13日は前日から一泊で日光に行って、温泉と東照宮ぶらぶら散歩でリフレッシュ。
 しかし中日過ぎから「社会人のための歌舞伎教室」で夜公演2回、隣の小劇場での舞踊会でタテを弾くはめになったり、25日の養成課のあげざらいのお稽古、11月歌舞伎座の「文七元結」の稽古、NHKの収録などなど、やたら忙しくなりましてちょっと参りました。しかしまぁ大きな失敗もなくどうにか無事に千穐楽を迎えられましてホッとしております。
 
 1日お休みがありまして28日から11月歌舞伎座のお稽古開始。
11月の歌舞伎座の話題というと天王寺屋さんの大ちゃん、鷹之資襲名です。
「鞍馬山誉鷹」七丁七枚の上手の出囃子です。新曲なので稽古中は曲と芝居を覚えるのに大変でした。これ私は替わりで半月ほど出演しますが、昨日早速その日がやってきまして初めて舞台に乗りました。大ちゃんあらため鷹之資さん、可愛いし堂々としていて立派でした。他には「五郎」「文七元結」に「連獅子」が今月の私の仕事です。「文七元結」では「角海老」で「梅が主」の一丁弾きをやらせて頂いています。芝居の大事なところですし、きっかけも難しく緊張する一丁弾きです。

11月4日

朝起きたら…

 この三味線の皮は張ってから3,4年経っていまして、ここまで時間が経つと滅多に裂ける事はないのですが、逝ってしまいましたねぇ。
 稽古三味線というのはいつでも手に取れるように、出しっぱなしでそこら辺に置いてあります。昨日寝るときには何でもなかったんです。朝起きて見たらバッサリこの有様で、起きぬけから実に心臓に悪い図です。
 この三味線は母が十代の頃、お稽古をしている時分に古道具屋で買ったものだそうで、作られてから50年、60年…どのくらい経っているのでしょうか。
棹は勘減りがひどいのを、私がアロンアルファで埋めたあとでボコボコ。天神は欠けているし、それはもうすごい事になっているのですが、稽古をするのにパッと手にするのはこの三味線なので、うちの三味線の中では一番手に触れられていてガシガシ弾かれているかもしれません。
 稽古三味線ですから犬の皮が張ってあります。張ってから長い事経って皮がボコボコになったくらいがマンションで弾くには耳に優しくて丁度いいのです。舞台用の紅木の三味線でよく張れているのを弾いたりすると部屋でガンガン響いて鼓膜がぱくぱく動いて耳がおかしくなります。
他の三味線出して使えばいいのですが、どうもうちで稽古するときにはこの古三味線が一番使い勝手がいいので、張り替えに出さなくてはなりません。
 しかしこの裂け方、ちょっと珍しいですね。裂けるときというのは、大体が糸に平行に胴の上辺か下辺が裂けてそこから直角に立てに裂けるというのが多いのですが、こんな変な場所でスパッと袈裟切りのようなのは初めてです。これは犬と猫との、皮の性質の違いなのかな?

 9月の播磨屋さんの「勧進帳」良かったですね。心地よい台詞を聴きながら、三味線弾くのを忘れてついつい芝居に見入ってしまうような、そんな舞台でした。
「勧進帳」って長いので弾いている最中かなり足が痛くなります。千穐楽には毎回「あ〜、やっと終わった」と思うのですが、今回はちょっと名残惜しいような…。
播磨屋さんの弁慶、もうちょっと見たいなぁと思いました。

 このカメラ「ZENZA BRONICA SQ-Ai」という、一昨年に生産中止になった国産最後の6×6判カメラです。6×6というと「ハッセルブラッド」や「ローライフレックス」がその右代表。私も以前ハッセルで写真を撮っていたことがありました。カールツァイスレンズのカミソリのようなシャープなピント。出来上がったプリントを見てびっくりした思い出があります。しかしハッセルというのはレンズやアクセサリーが高価で、素人にはどうにもならないのでその後売ってしまいました。
「ローライフレックス」はお気に入りなので大事に使っていますが、これはレンズが固定なのでスナップ向き。大きな画面でもうちょっといろいろ、と思うとレンズ交換が出来る中判カメラという事になりますけど、ハッセルは前述の理由で挫折したし何かないかなぁと暑い暑い8月、芝居の合間に中古カメラ屋を徘徊していました。
 最初はデジタル1眼レフを買おうと思っていたんです。結構機種もいろいろ出てきたし、画質も良くなったし、一つ買ってみようかなぁと毎日ビックカメラやヨドバシなどで実物をさわって購入のためのお勉強をしていました。しかしどれも何だかプラスチック外装でフニャフニャしていてどうも購入意欲が湧かないモノばかり。
そんなんでぶらぶら新橋の中古カメラ屋にふらっと寄って目にとまったのがこの「ブロニカ」のカメラ。写真ではウエストレベルファインダーを付けていますが、購入時には連動露出計内蔵のプリズムファインダーにスピードグリップ付き。この状態だと左右正像で絞り優先TTLオート、35ミリ一眼レフカメラのような状態で撮影が出来るのです。上から覗くファインダーに慣れていましたからこれにはびっくりしました。ブローニーフィルムでバシバシ撮れるというのは今までにない体験で、銀座でスナップに深川のお祭りなどたくさん撮りました。
 このカメラ、生産中止になったといってもまだ一昨年のことだからアクセサリー類はどこか行けば手にはいるだろうと思っていたら、これが見事にどこにも売っていません。中古カメラ屋のがらくたコーナーや委託コーナー、あとはオークションで取説やカタログ、部品など入手しましたが、こんなに苦労するとは思いませんでした。
レンズは中古屋に行けば見つかるので気長に揃えていこうかなと思っています。
手帳に続き、またひとつアナログに戻ってしまった。

11月12日

 今月も早いもので、もうじき中日になります。
昼の「五郎」「文七元結」をやって夜の「連獅子」というのが私の基本のお仕事ですが、「鞍馬山」も人のいないときなど14日間くらい替わりで出ていまして、この「鞍馬山」と「連獅子」が続く日というのは何とも忙しいです。
 鞍馬山終わって楽屋に帰って幕間15分。この間に糸取り替えて、肩衣を取り替えて、トイレに行ったりしているうちに「二丁」が入り、調子合わせて撥当てたりしていると「廻り」になります。舞台に行って座ると片砂切が始まり全て整ったという頃合いを見て「連獅子」の幕が明く、という怒濤の90分間。これが来週は14日から1週間続きます。ちょっと憂鬱…。

 今月私が勤めさせて頂いている「文七元結・角海老の場」の一丁弾きですが、これは「梅が主」の合方で黒御簾音楽に取り入れられた端唄のベスト5に入る名曲です。
この曲が使われている一番有名な場面というと、「大川端」でお嬢吉三が百両奪って、棒ぐいに足をかけた見得へ本釣を打ち込んでこの合方にかかり「月も朧に白魚の、かがりも霞む春の月」の名セリフになるところです。
 「角海老の場」の一丁弾きは「よその座敷から聞こえている三味線」、という意味合いのものなので、黒御簾ではなく舞台奥や上手で弾くことになっていまして、今月は秀太郎さんの斜め後ろ、三枚ある障子の裏側で弾いています。
 この前に黒御簾では長唄「吉原雀」の「女郎の誠」の合方を「長兵衛内」から「角海老」への転換、長兵衛さんの登場、藤助さんが胸をポンとやって入るところまで弾いていまして、これが終わると急いで上手の障子裏に行きます。座って調子を直すとちょうどきっかけになって「梅が主」の合方にかかります。ここで大事なのは2回目に合方にかかるきっかけ。お久ちゃんが「お父っつぁん、お金」とお金を差し出して長兵衛さんがこの手を握るところ。このきっかけがこの芝居が出るたびに道具の具合でいつも見にくくて苦労するところです。今月は障子の隙間を少し空けてもらってそこから覗いて弾いています。この一丁弾きが終わるとまた急いで黒御簾に戻り、幕切れの「騒ぎ」弾いてこの場は終わり。用事としては少ないのですが行ったり来たり移動の忙しい黒御簾です。

 来月は京都に行く事になりました。今年は何と!今までに2ヶ月しか旅に行っていません。こんなに旅が少ないのは本当に稀な事で、今年はこのまま終わるかなと思っていたら1年の締めくくりは「坂田藤十郎襲名披露」顔見世興行と相成りました。

11月21日

 11月18日に「100000」カウント達成しました。
1999年に始めた「BEN'S CORNER」ですが、今年で7年目。まぁ我ながらよく続いたなぁと感心しております。こんなものでも「この芝居、いつやったっけ?」「何年の何月はどこにいた?」とかそんな事を調べるのに自分の役に立つ事がありまして、自分の覚えのために続けるのもいいかなぁ、なんて思っております。
今まで「BEN'S CORNER」を訪ねて下さった皆さま、とりとめのない雑文、駄文におつきあい下さいましてありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。

 今月も残り1週間を切りまして、来月の準備やらで慌ただしくなってきました。
顔見世では播磨屋さんの「五斗三番」に梅玉さんの「引窓」をやらせていただきます。
「五斗三番」は初めて弾くお芝居ですのでビデオ見て勉強中。「引窓」は今まで何度もやっていますが、自分で舞台をやるのは初めてなので台本や附をひっくり返して復習してます。

 来月は京都で初めてのマンスリーマンション生活です。四条河原町の高島屋近辺にはたくさん物件がありまして、インターネット対応のものにしました。通うのも近いですしお料理も出来るしマンション生活は快適ですね。
歌舞伎座が25日に終わって南座での稽古は27日からですが、マンションの手続きなど準備のために26日には京都入り。最後の紅葉に間に合うといいのですが…。

iPod 5G

 10月に具合の悪くなって直ったかに見えた「iPod」ですが、先日再びクラッシュ、何をやってもダメという状態になりました。
マウントしない、たまにマウントできても解除できない。「iPod」のディスプレイはフリーズの連続。リセットかけてソフトで初期化してもこの状態が続きました。先月で保証は切れているしアップルケアにも入っていないので修理は有償。27000円くらいかかるというので「そんなら新しいの…△○□」と買っちゃいました!「iPod 5G」。
 何といっても一番の魅力は大きくなったカラーディスプレイできれいで鮮やか。画面の情報量が増えたので曲名、アーティスト名などがちゃんと表示されます。話題の動画もなめらかでいい感じです。
 しかし気になる事が一つ、「iPod nano」からファイヤーワイヤーの接続がなくなったので、パソコンとの接続はUSB2.0のみ。私のパワーブックはまだUSB1.0なのでこりゃどうしたものか?
早速セットアップしてみて接続は可能ですが転送スピードが遅くて曲のアップデートはちょっと大変、ということで翌日USB2.0のPCカードも購入。これで接続したところアップデートもサクサク行くようになりまして新しい「iPod」は一件落着。
 問題は壊れた「iPod」で、何とかならないものかと「iPod」専用の修復ソフトの様なものを調べたところ「TuneTech」というソフトが見つかりました。オンラインで購入、ダウンロードして、早速修復、デフラグとやってみたところこれが効果がありまして、マウント、解除、曲のアップデートなど出来るようになりました。これで落ち着いてくれると本当に助かるのですが。

うちにある「iPod」並べてみました

 私の持ち物の中で「iPod」ほど稼働しているものは無いでしょう。今や私にとって無くてはならぬものの一つであります。

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